記憶に残る送別会
4年間勤務したお店があります。繁忙店でしたので月商22000千円はあったと思います。
雇われ店長の性で、やはり転勤の時が来てしまいました。この店ではクルーさんとの仕事以外での交流がとても多く、具体的には飲み会なのですが、毎月ランチメンバー(これは主婦のクルーさんがメインの飲み会)と、ナイトメンバー(学生がメインの飲み会)の合計2回は、必ずと言っていいほど行っていました。これらの飲み会はすべてクルーさんが企画してくれていました。ここのクルーさんは、飲み会に必ず店長を誘ってくれるのです。社員がいると煙ったいから嫌だとか、敬遠されることも少なからずあるのですが、このお店のクルーさんは、全くそのようなことがありません。私も基本的にお酒は好きですので、誘われたらほとんど参加していました。
そういった中でクルーさんが、私の転勤の送別会を企画してくれたのですが、こんな送別会は最初で最後、二度とないと言うほどの素晴らしいものでした。居酒屋さんで行ったのですが、その居酒屋さんは1階と2階があり、その2階を貸切での送別会です。18時にスタートして23時まで1次会です。高校生と主婦の方たちは、主に18時から参加してくださいましたが、その日お休みの学生さんや21時から勤務の学生さんも、18時から来てくださいました。入れ替わりに21時以降はお店の勤務をアップした方が来てくださいました。また昨年・一昨年と既に退社されたクルーの方々や、近くの数店舗の店長とそのお店のクルーさん、友達の友達は皆友達のような感じで、本部社員の方やあまり話したことのない方も、わざわざ来てくださいました。トータルで100人以上は来てくださったと思います。入れ替わり立ち代わりの乾杯で、あっという間に酔っ払ってしまったのを覚えています。ほんとに不思議なのですが、何かの試合で優勝したときの、感動の輪のようなものができていて、皆ボルテージMAXでした。
そして23時にお開きになりました。その居酒屋さんは駅前にあったので、店を出ると目の前が駅前広場になっています。そこにお店から出てきたみんなが集まると、男子たちがなんと私を胴上げしてくれたのです。胴上げなどされた事はありませんから、とてもびっくりしましたし、またとても感動して、思わず泣きながら胴上げされていました。そして感動の中に、肩を叩きまた握手しながら全員と別れを告げたのです。
少し落ち着いてふと周りを見ると、女子たちが僕たち男子を見ています。男子たちと挨拶を交わしたので、当然女子たちにも挨拶させていただこうと思いました。そして1番近くにいた方から挨拶をしました。その方は留学生で、さよならの握手をしようと手を出したのですが、首を振っています。私が嫌なのかなという顔をしていると、「店長、ハグがいい」と言うのです。その場の雰囲気などから流れのままハグをしてさよならを伝えましたが、お互いに感動して、思わず目頭が熱くなったのを覚えています。
2人目の方も留学生で、私が手を出したのですがまた首を横に振るので、やはり欧米人は親しい人との挨拶はハグなのかと、ハグをしてお別れを告げました。そして3人目ですが、こちらは日本人の学生です。酔っ払っていても理性だけはありますので、今度こそ握手の手を出しましたが、また首を横に振るのです。そして上目遣いに「私もハグがいいです」と言うので、素直にハグいたしました。4人目の方も日本人で、確か本部社員の方だったと思いますが、こちらも自然体でハグでした。以降は無条件に全員ハグになり、合計40人はいらっしゃったと思います。
その時はただ感動で、泣きながら無条件にお別れを惜しんでいましたが、送別会のメンバーが数十人いて、さらに駅前広場ですから、一般の乗降客の方も100人以上はいらっしゃったと思います。その中で胴上げをしていただき、また同時に40人もよくハグできたものだと、ちょっと恥ずかしさもありますが、とにかくこんな送別会をしていただいたことがなく、改めて驚きとそして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。本当に良い経験をさせていただきました。
感想をあと2つだけお話しさせていただくと、皆さんからの送別の品、ものすごいことになりました。車の後部座席に置ききれなくて助手席にも置きました。また1度に40人もハグをしたことがなく、今回初めて、いやこれが最初で最後だと思いますが、1人目、2人目、3人目と感動のうちにハグをしていくのですが、5人目10人目となってくると、それなりに余裕と言うものが生まれてきます。そうすると冷静になってきて、皆さん肩幅も、髪の匂いもそれぞれに違うんだなと、当然ながら改めて感じた次第です。余計な感想申し訳ございませんでした。