出来事エピソード9

親子2代で部下をしていただきました! Part2

 ある店で、ランチタイム勤務の主婦の方を採用しました。受け答えや、身だしなみもきちっとしており、またビジュアルも綺麗な方でしたので、将来的に、必ずお店に貢献していただける人材だと思いました。

 そして約6年後、私はその主婦の方を採用したお店から、2度転勤していたのですが、その転勤先のお店で、またその主婦の方と勤務することになりました。その私が採用した主婦の方が、ランチのパートさんから社員を目指すようになり、同じく2度の転勤を経て、このお店に勤務となり、また一緒に働くことになったのです。

 この主婦の方はとても頑張り屋さんで、私の部下として勤務しながら、社員になるための入社試験、副店長試験、店長試験と順調に合格し、そして店長に昇格して、1店舗の主となりました。

 またこの主婦の方のお子さんですが、6年前には小学生だったのですが、既に高校生になっていました。その高校生のお子さんが、アルバイトをしたいとその主婦の方に言ってきたので、最初のアルバイトは、私の店なら許可するとお子さんに言ったそうです。そして、面接をさせていただき、採用基準に達していたので採用いたしました。それ以降進学のために退職するまで、本当によく勤務していただきました。

 でも私は後悔していることがあります。その主婦の方から、大切なお子さんを私のお店に預けていただいたにもかかわらず、その子に対しての指導が、行き届かなかったことです。忙しさにかまけて、16歳の高校生と言うカテゴリーで、いわゆる一まとめにして、教育をしてしまったのです。1人の人間対人間で、対応することができなかったと言うことです。

 トップダウンで指示命令するのではなく、常に一人ひとりと向き合って、まず相手の気持ちを受け入れてから、指導教育していくというプロセスが、リーダーにとっていかに大切かと言うことを、この件を通し改めて認識させていただいた次第です。

 その主婦の方は娘さんに対し、接客員としての能力よりむしろ、将来的に社会人になるための訓練を積ませたいと、考えていたのだと思います。だとしたらやはり不十分な教育だったと、心残りとなってしまいましたが、この経験を今後に活かし、クルーの皆さんに、「このお店でアルバイトしてよかった」と、思っていただけるようなお店を作っていくことを、改めて心に誓いました。

 ちなみにこの主婦の方は本当に努力家で、ランチタイムのパートさんから、数年で店長にまでなりました。まだまだお若いので、気を抜かず努力していけば、必ず地区長・部長と昇進することができると確信しています。

 この主婦の方と娘さん(娘さんはお二人いらっしゃいます)、皆さん和合していて常に笑顔が絶えません。私もお手本にさせていただいている、本当に素晴らしいご家族です。