スキルエピソード5

コミュニケーションの深め方①

 コミュニケーションに於いて、まず相手の話をよく聞く、いわゆる「傾聴」と言う技法を用いて、相手の気持ちに共感しながら、また理解しながら協力関係、信頼関係を築いていくということが、よく言われています。確かに、タイミングよく相槌を打つといったことも大切ですが、聞き手側(ここでは店長です)の心のあり方が最も大切です。たとえ一生懸命に相手の話を聞いても、その次に店長から出される言葉が、全く違ってくるからです。

 具体的な心のあり方ですが、店の従業員は全員私の部下だと、上から目線は絶対にいけません。むしろ礼を尽くすべきであり、店長は「クルーの皆さんがいてくれるからこそ、こうして組織が成り立っている」と、原点に立ち続けることが大切です。

 すると自分の言葉に変化が現れます。「君は何をやっているんだ!」と、責めるような言い方ではなく、「いつもありがとう」という言葉が先行します。その後から「ただこの事は・・・」というように、声かけの言葉や順序が変わってくるのです。相手に対するリスペクトとともに、礼儀を尽くしながら、伝えたいことを言葉にするだけです。

 店長は、従業員の方々の土台となっていくことが、働きやすい職場づくりの第一歩です。