部下の言葉から成長段階を把握する
『心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。』
これはアメリカの哲学者・心理学者のウィリアム・ジェームズの言葉だと言われています。
接客員の場合を例にしてみると、「自分が担当しているダイニングのオーダーは、他のダイニングの接客員に取ってもらっても問題ない」と思っている方と、「自分のダイニングのオーダーは全て自分で取るべきだ」と思っている方では、実際のオペレーションの中では、「オーダー取ってもらっちゃった、ラッキー」となるのか、「頑張って自分で取り切った」という違いになってきます。
しかし、自分の担当ダイニングのオーダーを、他の人に取ってもらっても良いと思っていた人が、それは良くないことで、責任範囲を考えたら、自分で全て取り切るべきだというように考え方が変わったら、今までオーダーをフォローしてもらっていたものが、全部自分で取り切ると言う行動に変わっていきます。最初は難しいかもしれませんが、自分のダイニングのオーダーを取り切ろうとする行動を積み重ねていけば、それが普通になり、習慣になると言うことです。
一方で、周りの人からオーダーを取ってもらったり、いわゆるヘルプされ続けている人は、なかなか一人前とは認めてもらえません。しかし責任範囲を守り、自分のダイニングのオーダーは自分で取り切ることが当たり前になった接客員は、周りの人からオペレーションにおいて信頼されるようになります。周りから信頼されていない状況では、それほど楽しさや充実感を感じることができず、周りから積極的に応援されることもあまり多くありません。しかし、周りから信頼されるようになったら、自分を認めてくれる人や頼りにしてくれる人も増え、やりがいや充実感、自己肯定感までも充足できるようになります。
すべてのスタートは心のあり方を変えていくことです。
この例の接客員の場合ですが、心のあり方が変われば(自分の担当するダイニングのオーダーを他の人にとってもらったとき)の発する言葉が変わります。
*他の接客員にオーダーを取ってもらってもオーケーと思っている場合
⇒オーダーを取ってもらった方に「ありがとうと伝える」
*自分のダイニングのオーダーは自分で取り切ると思っている場合
⇒オーダーを取ってもらった方に「申し訳ございませんと伝える」
になるでしょう。
役割と責任範囲を理解し、実践しているかしていないかで、発言は全く違ったものになります。店長はそれを観察して、部下の成長の段階をよく把握していくことが大切です。