トレーニング・オペレーション11

苦情対応の考え方

 お客様からの苦情をその大きさで3段階に分けるとします。

⓵テーブルにお伺いし、お詫び申し上げることで納得していただける場合

②その場で解決することができず改めてお会いする、ないしはお客様のご自宅までお詫びに伺いお許しをいただく場合

③店舗段階では解決できず、警察や会社の顧問弁護士などと相談しながら解決していく場合

このようになるかと思います。

 またお客様からの苦情とお客様とのトラブルは、全く別ものであると言うことも理解しておかなければなりません。トラブルとは、たとえ苦情が原因である場合でも、常識外の要求をされたときなどのことです。例えば最も一般的な事例ですが「誠意を見せろ」(これは暗にお金を出せと言っている)であったり、「土下座の要求」や「一筆かけ」などです。

 これらの苦情対応やトラブル対応についても、身に付けていくためには、その事実から絶対に逃げてはいけません。しかしただ逃げるなと言ってみても嫌なものは嫌ですし、まして対応した経験が少ない場合、どうしていいかわからないことの方が多いと思います。

 まず苦情対応・トラブル対応の基本的な考え方として、絶対にその場で解決しなければならないと言う考えは捨ててください。確かにその場で解決できるに越した事はありませんが、「絶対にその場で解決しなければならない」と言う気持ちで対応していくと、それがプレッシャーとなり、かえってうまくいかなくなる場合も少なからずあります。

 では苦情やトラブルが発生した場合、どうしていけばいいのでしょうか。まずは上長に報告し相談していくことです。お店の責任者は店長ですから、当然自分の持っている器の中で、最大の努力をしなければなりませんが、どうすれば良いかわからない時は、上長にありのままを話し、素直に助言をいただいていくことです。自分より仕事に対しての経験・知識・技術レベルが高いから上司をされているわけですから、解決に向け助言をいただくことは、決して恥ずかしいことではありません。上長は、こういう時のために存在していると言っても決して過言ではありません。

 そして上長に相談していくときのポイントですが、できるだけ自分はこのように考える、こうしたいということを合わせて伝えていくことです。これは後々自身の成長につながっていきます。また上長に対してあなたの真剣さが伝わります。このプロセスを経ることで、上長という第三者を通じて発生した苦情を見ると、俯瞰することができる、客観的に状況を把握し冷静に判断していくことができるようになります。

まとめると、苦情やトラブルは店長1人で抱えてしまうのではなく、チームで解決していくことが大切だということです。お店で店長と言う職位の方は当然店長だけで、お店のトップは1人ですからある意味孤独です。でも決して孤立してはいけません。お店とその会社は1つのチームであることを絶対に忘れないでください。