新人さんに苦情対応を教える時のポイント
その時間帯の責任者以外の方が苦情をいただいた時の対応は、次の3つのポイントがあります。
⓵お客様の話を聞く。1分話されていたら1分、3分話されていたら3分、最後まで話を聞く。決して話の腰を折らないこと。
②お客様が何について苦情を言われているのか、苦情を伺っている従業員の方が理解した上で、「大変申し訳ございませんでした」をお伝えする。
③お詫びをお伝えした後、「ただいま責任者に代わりますので少しお待ち下さいませ」とお客様にお伝えし、速やかに責任者に報告する。
これは新人の時点で、必ず教えておかなければなりません。この初期の教育を怠ると、二次コンプレに発展する可能性があるからです。
(二次コンプレ:料理が遅いと接客員に伝えたのに、お詫びや、あと何分でお持ちできるなど、お客様の立場に立った対応がなかったとき、お客様が料理が遅いことではなく、それに対する対応にお怒りになってしまった場合などを、二次コンプレと言います。)
事例ですが、お客様が新人のクルーさんに「このスープぬるいんだけど」と伝えました。この新人クルーさんは、ちゃんとお詫びをしなければと思い、「大変申し訳ございませんでした」とお客様にお伝えしたのですが、この苦情を、責任者に報告するのを忘れてしまいました。そして、そのお客様がお帰りになる時、レジで伝票を出しながら「店長呼んで」ときつく言われてしまいました。
お客様が苦情をおっしゃる時は、現象面だけをお話しになることがほとんどです。例えば「このスープぬるいんだけど」、「ハンバーグが焦げてる」、「シルバーが汚れてるよ」などです。
その言葉の次に続く聞こえない言葉は、新人のクルーさんにはまず読めません。聞こえない言葉とは、
・スープがぬるい⇒新しいスープが欲しい、ないしは温め直して欲しい
・ハンバーグが焦げてる⇒作り直してほしい
・シルバーが汚れている⇒きれいなシルバー持ってきて
などです。
でも経験を積んでいる責任者でしたら、この聞こえない言葉を読むことができます。ですから、どんな些細なことでも必ず責任者に報告すると言うことを、徹底しなければならないのです。
また①の話の腰を折らないは、コミュニケーションの基本で、言いたいことを遮られると、怒りが倍加してしまいます。②の苦情の内容を理解すると言う事は、それを理解することで、新人のクルーさんであっても、少しでもお客様の身に近づくことができるからです。近ければ近いほど、そこからのお詫びは、よりお客様に伝わっていきます。
二次コンプレに発展してしまうと、解決もなかなか難しくなっていきますので、少しでも客席に出るようになった新人さんには、まずこの苦情対応のポイントを教育してください。