トレーニング・オペレーション13

接客レベルを統一させる

 接客員の人数が多くなってくると、どうしても接客レベルに、ばらつきが出てきてしまいます。でも店長は、全接客員が、自分のイメージする接客をしていただきたいと切に願っています。ではどうすれば高いレベルで統一できるのでしょうか?

 まず部下の方たちに伝えていただきたい事は、接客はセンスではなくスキルだと言うことです。私は人見知りだからとか、コミュニケーションが苦手だからとか思っていると言う事は、自分は成長できないと言っているようなものです。スキルだから誰でもできるようになると言うことを、必ず伝えることが大切です。

 そしてお店側が、トレーニングを始める前に行っていただきたい事は、各作業の出来栄えを明確にすると言うことです。例えば挨拶でも、「おざぁーす」と伏目がちに言う方がいたとします。この方に、ちゃんと挨拶しなさいと指導しても、この方はこれがちゃんとした挨拶だと思っていますから、「ちゃんとしてるのになんで」となるわけです。教える方のスタンダードと、教えてもらう方のスタンダードが違うのです。ですから挨拶とは、「相手の方を向いて、相手の目を見て、元気よく」と言う基準を明確にすれば、「通り過ぎ様に、相手の目を見ずに、ぼそぼそ言うのは挨拶ではないよね」と相手に正しく伝えることができるのです。ポイントは、教える方と教えられる方が、同じ絵を見られるようにすること、言い換えれば、できているかできていないか、本人が判断できるようにすることです。

 接客についても同じです。お客様に対する声のかけ方、表情、姿勢、立ち居振る舞いなど、基準を決めることです。また、すでに基準が決まっているのであれば、できたらサービスレベルの高い方から、それを落としていくことです。そして言葉で説明するだけでなく、具体的に店長がまずやってみせることが重要です。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」、まさに山本五十六海軍大将の言葉通りです。

 そしてその方とのスタンダードの統一ができたら、次はあなたとその方で教育を進めていきます。この時のポイントは、1つずつ取り組んでいくことです。グリーティング、立ち居振る舞い、表情、気配りなど1度に目標にしても、結果はたぶん全部未達に終わってしまいます。具体的には今週はグリーティング、来週は会釈など、1つずつコツコツと進めていくことです。

 それから先の行動については、周知の仕方、トレーニング方法、落とし込み方、チェック方法などは改めてお伝えしたいと思います。