トレーニング・オペレーション6

正しいワークスケジュールとその作成方法②

1,採用時に妥協しない

 面接時に確認する、身だしなみ言葉遣い等々のチェックは当然行いますが、私が絶対に確認している項目が2つあります。1つ目はそのアルバイト希望者さんが好きな内容について、例えば野球でもサッカーでも何でも良いのですが、そのことについて話題にしたときに、笑顔で話をしているかです。面接の中でその方の好みを聞いて、それを話題にするのですが、誰でも自分の好きな趣味の話などは積極的になれるものです。この時に、いかに笑顔で相手に話を伝えているかがポイントで、この自分の好む話題の時に、笑顔で話すことができなければ、笑顔での接客は難しいと思います。

 そして2つ目は、お店が必要としている曜日時間帯を提示して勤務できるかを確認し、できると言うことであれば、その日の出勤を条件に採用すると言うことです。アルバイト希望の方は往々にして採用されたいがために、例えば土・日曜日は出勤できますかと確認すると、予定がない日は出勤できるくらいの考えなのに、出勤できますと答える方がほとんどです。そして採用して、いざ希望スケジュールを提出してもらうと、来月の第1週は試験で出れません、第二週は部活で出れません、第3週は・・・と、いわゆる出れない理由を並べて、結局土日出勤できるのは1日か2日と言うことになりがちです。

 私は面接時に、「1か月に土・日曜日は8日あるので、その半分の4日以上は必ず出勤してください。それが採用の条件です」と伝えて採用するようにしています。そしてそれを徹底するために毎月20日に、翌月1ヵ月分のワークスケジュールの希望を、提出していただいています。これは土・日曜日を半分以上出勤するためにはどうすればいいか、本人に考えていただくためです。

 スケジュールを前半分・後半分で分けて月に2回提出してもらっている店長がいますが、私はあまりお勧めできません。たぶん1ヵ月分まとめて予定を出させるのは大変だからとか、1か月先の予定は分からないだろうからと、変に情けをかけているからだと思います。これですと、例えば後半はちゃんと出ますと言って前半の土・日曜日は全休で提出して、後半分の予定の提出日には、普通に土・日曜日全休で予定を出してくると言う、いわゆる確信犯的な行動をとるクルーさんも少なくありません。

 むしろ1か月先まで予定を提出させるのは大変という認識よりも、1か月先の予定まで分かっている、1か月先の休日まで確定しているので、とても予定が立てやすいと考えれば、ご利益の方が大きいと私は感じています。

 そして何より1番の問題点は、土・日曜日出勤の条件をちゃんと守っているクルーさんと、先程説明したような、いい加減なクルーさんが存在していたら、ちゃんとしているクルーさんから、不平不満が出てくると言うことです。お店を作るにあたっての大前提は、全員が常に平等に評価されるということですから、これは大問題です。

 このような理由から、面接及び採用時には接客に対する適性と、お店という組織を成長させるためのルールの徹底と言うことを、最重要項目として確認させていただいています。