親子2代で部下をしていただきました!
あるお店で専門学校生の女の子を採用しました。とても感じの良い子で笑顔も素敵なのですが、いかんせん覚えがあまり良くなく、オペレーションもなかなかうまくいかず、すぐに追われてしまいます。そのような状況ですので、彼女の最大の長所である感じの良さが客席で十分に表現することができずにいました。それを改善するために、とにかくこの子には理論的に説明するよりまず実践だと判断し、今から30分間私の後ろ2メートル以内を絶対についてきなさいと指示を出して、実際に私が接客員を行い、オーダー、料理提供、ご案内、会計、バッシングと作業を組み立て実行していく様を見せながら教育していきました。そして何とか形になってきていたとき、たまたま彼女が何か書き物をしているのを見てショックを受けました。なんと漢字があまり書けないのです。書き順も「しんにょう」を先に書いてしまうほどでした。この子は、来年は就活のはずです。おせっかいだと思いましたが本人とミーティングを行い、合意した上で漢字学習を始めることを決めました。漢字練習帳を買いスケジュールを決めて、小学校3年生の練習帳から始めて4年生5年生と進めていきました。中学校卒業レベルまで頑張ろうと言うことになっていたのですが、その前に私の転勤が決まり、後は独学でやっていくと言うことになりました。その他にもいろいろと苦労したような? 記憶があります。
それから19年が経ち私も転勤を重ねていたため、当然別のお店で勤務していました。ところがある日急に、19年前専門学校生だった女の子が私の店に訪ねてきたんです。「私を覚えていますか」と聞かれたのですかさず「覚えているよ、漢字がんばった子だろ!」と伝えると「そうです!」と満面の笑みで答えてくれました。結婚してこの地域に住んでいて、たまたまお客さんとして来店したら私の写真が掲示されていたのですぐに気が付いたということでした。19年ぶりに再開したので、色々と昔話に花を咲かせていたのですがしばらくお話しした後、彼女から今日来店した理由は自分の娘の面接をしてもらえないか、もし可能だったらアルバイトで採用してもらえないだろうかというものでした。娘が高校生になりアルバイトをしたいと言ってきたので、アルバイトは許可するけど、そのかわり最初のアルバイトは私の店でさせたいと言うものでした。
その後面接を行い、見た目も感じの良さもお母さんそっくりだったので採用しましたが、その娘さんより「店長を学校の先生だと思っていろいろ教えてもらいなさい」とお母さんより言われていますと伺いました。身の引き締まる思いだったことを鮮明に覚えています。更に店長として努力精進しなければならないと心に誓いました。
私のようなものを覚えていてくださり、更に娘さんまで部下として預けてくださった、19年前19才だった彼女にただただ感謝です。
まさに店長冥利に尽きる、、です!!