目標設定の重要性
お店のレベル=従業員のレベルと言っても過言ではありません。ですから、店長にとって「その地域になくてはならないお店を作る」ためには、従業員の教育がとても重要になってきます。
ではどのように教育していけばよろしいのでしょうか。まずお店の準備として、受け入れ体制を整える、トレーニングマニュアルを作成して実行する、OJT等のトレーニング方法を用いていく、評価制度を導入するなどがあります。また教育内容については、お店の方針や理念を伝える、ハウスルールを徹底していく、言葉遣いなどマナー常識を教育する、基本作業の訓練などが挙げられます。ここに挙げたものはとても重要なもので必須だと思います。ネットで検索していくと間違いなくヒットしますので、これらについてはそちらの方で確認すれば良いかと思います。しかしお店を持続的に成長させるためにはまだ不足している手法があります。それは目標設定とその達成です。
目標に向かっている状態とは、お店の方針やビジョンの達成に向け全員が取り組んでいる状態、皆が同じ方向を向いて進んでいる状態のことです。なぜそのように大切かと言うと、目標に向かって取り組んでいくことで皆のモチベーションが向上します。そして一つ一つ達成していくことで達成感を感じることができ、できることが増えていくことで存在感、同時に自己肯定感も得ることができるからです。またこの状態になると、他の人を中傷することやお店に対しての不満なども減っていくと言うご利益もあります。これは目標がないと目線が横に向き、あの人がこう言ったとか、ゴシップ等を始める傾向がありますが、同じ方向を向くことでこれが減少するからです。
目標は具体的に従業員全員が2つ持っています。個人目標とお店全体の目標です。個人目標は前回役割と責任範囲を明確にするとお話ししましたが、基本的にはその項目になります。具体的には新人でしたらオーダーを取れるようになるとか、トレーナー候補でしたら作業を教えられるようになるといった内容です。
もう一つのお店の目標とは、ホールないしキチンの全体目標のことです。例えばホールの目標が「入り口でお客様をお待たせしない」と言う目標でしたら、この目標はニューゲストが来店されたら足を止めずにそのまま客席までご案内するということですから、ご案内ができるクルーさんでしたら、その目標を達成するために「10秒に1回入り口を確認し、来店があったらすぐにご案内に向かう」になると思いますし、まだご案内ができないクルーさんでしたら、他のご案内ができるクルーさんにニューゲストが来店したことを伝えるために「10秒に1回入り口を確認し、ニューゲストがいらっしゃったら「いらっしゃいませ」と、全員に聞こえる大きな声でのグリーティングを言う」などが目標になると思います。
個人目標はそのクルーさんのキャリアアップ、全体目標はお店のレベルアップが目的になってなっています。月初に目標設定を行い月末に達成したかのジャッジを行う。そして本人にフィードバックする。1番良いのは達成したかしなかったかを本人が判断できるようにしてあげることです。
これがうまく回り始めたら、店長がいちいち音頭を取らなくてもお店は勝手に自走し始めます。この状態まで持って来れたら大したものです。またこの状態を作ることが店長の大切なお仕事です。でもこれを実現するためには、例えばGROWモデルの理解、PDCAの回し方、店長の片腕となる2番手の育成等が必要になってきますが、これらのことについてはまた改めてお話ししたいと思います。